著
オノ・ナツメ
江戸へ参勤、国へ交代。二年に一度のビッグトリップ。
「備前蜂」の紋を掲げた岡山藩熊田家。
寛政の改革で倹約を謳う徳川幕府に殿様は、家老たちの悩みの種だ。
そして、今年の江戸への道中には、いつもと違う何かが待っているのだ。
時は寛政、江戸も半ばを過ぎた頃、「備前蜂(びぜんばち)」の紋を掲げた熊田(くまだ)家藩主・ 治隆(はるたか)は、家臣と人足たち数百人を引き連れて、参勤の旅に出た。行列には、治隆を疎んじる幕府老中・松平定信(まつだいらさだのぶ) の密偵も紛れ込む。江戸までの道のりは、その距離以上に長く、波乱に満ちていた。
※
岡山藩藩主。代々質素倹約を重んじる備前熊田家のなかで、豪快豪奢を好む異色の五代目。
家老歴17年の筆頭家老。怜悧でそつがなく、茶人としての腕も殿のお墨付き。和泉からはライバル視されているが、実は和泉をきづかっている
第二家老。藩主一門の血をひく。家督を継いで4か月で、参勤の供家老となる。生真面目すぎる性格も殿に振り回される日々でほぐれてきている
第四家老。最年少の14歳。家老歴は2年と、和泉の先輩にあたる。一行の無事を願い、亀を飾る
藩主の身の回りの世話をする小姓たちの長、大小姓頭を務める。治隆の側近中の側近
白河藩主より幕府の老中首座となった、時の権力者。自身が主導する寛政の改革に懐疑的な治隆とは犬猿の仲
製品名 | つらつらわらじ(1) |
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著者 | |
発売日 | 2010年09月22日 |
初出 | モーニング増刊『モーニング・ツー』2010年28号~35号 |