著
おざわ ゆき
太平洋戦争末期の昭和19年、名古屋。優しい父と強い母、そして四姉妹の女系家族。木村家次女・あいは、国民学校高等科1年生。
青春真っ只中にいるあいの関心は、かっこいい車掌さんに出会ったことや、今日の献立のこと。自分が戦争に参加しているなんて気持ちは、これっぽっちもなかった――。
しかし、米軍にとって名古屋は、東京や大阪と並んで重要攻撃目標だった。
少女・あいにとって、戦争とは、空襲とは、空から降り注いだ焼夷弾の雨とは、一体何だったのだろうか。
太平洋戦争末期の昭和19年、名古屋。木村家次女・あいは、国民学校高等科1年生。青春真っ只中にいるあいの関心は、かっこいい車掌さんに出会ったことや、今日の献立のこと。自分が戦争に参加しているなんて気持ちは、これっぽっちもなかった――。しかし、米軍にとって名古屋は、東京や大阪と並んで重要攻撃目標だった。少女・あいにとって、戦争とは、空襲とは、空から降り注いだ焼夷弾の雨とは、一体何だったのだろうか。
木村家の次女。国民学校高等科1年生の12歳。物事を真っ直ぐに見つめる目を持つ
木村家の隣組の戦争未亡人・波多野さんの甥っ子で、あいと将来を誓い合う。木村家に居候していたが、空襲で命を落とす
木村家の長女。国民高等科2年生。言動は奔放だが、意外としっかり者で、終戦直前から一家を支えるために働きに出る
木村家の三女。国民学校初等科3年生。学童集団疎開で岐阜へ行くが、疎開先の悲惨な現状を知ったあいと父に連れ戻される。天真爛漫で家族を明るくしてくれる
警防団の団員。本人は娘たちに対して厳しくあろうとするが、優しが滲み出る人柄。空襲で焼き出され、一家で岐阜への疎開を決意する
母、妻としての務めを粛々とこなす。凛とした立ち居振る舞いをする。いざという時は、娘たちを命がけで助ける頼もしい存在
あいの初等科時代の同級生。女学校に進学したためあいとは疎遠になり、軍国少女に。空襲で父と家を焼かれてしまう
あいの初等科時代の同級生。女学校に進学したためあいとは疎遠に。勤労動員のさなか、空襲で命を落とす
製品名 | あとかたの街(1) |
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著者 | |
発売日 | 2014年06月13日 |
初出 | 『BE・LOVE』2014年第2~6号、第8号 |