著
久世 番子
独特の節で読む軍記物の勇壮な場面を、講談で「修羅場〈ひらば〉」と呼ぶーー。
落語家との認知度の差は歴然、絶滅危惧「職」とまで言われる講談師。二ツ目の女流講談師・龍田泉花の未来は視界不明瞭! 唯一の弟〈おとうと〉弟子・泉太郎の率直(不敵?)過ぎる言動にもヤキモキしっぱなしーー。でも「講談」の深い魅力と、師匠をはじめ人間臭い周囲の人々に支えられながら、姉弟〈きょうだい〉弟子2人は、ダンジョンだらけの「芸の道」をよじ登っていく!
歴史ロマン『パレス・メイヂ』、爆笑エッセイ漫画『暴れん坊本屋さん』などで知られる名手が、「日本一チケットの取れない講談師」六代目神田伯山の全面監修を得て放つ、新たなる伝統芸能ストーリー。モーニング本誌に掲載されて評判を呼んだ「読み切り版」も収録。
「鋳掛松〈いかけまつ〉」、「応挙〈おうきょ〉の幽霊」など、講談の演目もさまざま登場。このごろ話題の「講談」って落語と何が違う? どんな演目があるの?…などを知りたい方も一読瞭然!
龍田一門の講釈師で修行中の二ツ目。男性が少ない講談界で注目される泉太郎を疎ましがりながらも、その将来に期待している。本名は小川花菜子
泉花の弟弟子。数少ない男弟子で、師匠や常連客から期待されているが、本人は泰然としている。前座2年目の24歳
泉花の夫。一般企業に務める会社員で穏やかな性格。講談には詳しくないが、泉花のことは応援している
龍田一門の講釈師で真打。元女優。泉太郎に厳しいことを言う。芸に打ち込み独身を通している60歳
龍田一門の講釈師で真打。歴史学科卒。にしきと同じく芸に打ち込み独身を通している。55歳
龍田一門の講釈師で真打。2児の母で、夫も売れない芸人のため暮らしは厳しい。44歳
泉花たちの師匠。80歳で普段はヨボヨボのため、弟子たちに認知症かと心配されるが、高座に上がると見事な話芸を披露する
7年前に閉場した都内唯一の講釈場「音羽亭」のお席亭(経営者)だった女性。錦泉師匠と因縁があるらしい。男性の講釈師を嫌っている
製品名 | ひらばのひと(1) |
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著者 | |
発売日 | 2021年04月23日 |
初出 | 『モーニング』2020年14号と、モーニング増刊『月刊モーニングtwo』2020年11月号、12月号、2021年2月号 |