著
恵 広史
「奪い、奪われることのない“くに”を作る」。それは盗賊の少年が思い描くには、あまりに壮大で矛盾した夢だった。時は戦国初期。繰り返される戦に、民は傷つき、飢え、苦しんでいた。両親を失った孤児・九兵衛は、奴隷として売られるところを、野盗団の棟梁・多聞丸に救われる。乱世で成り上がり、大名を目指すという野望を語る多聞丸に、九兵衛は魂の鼓動を感じた―――。歴史小説の傑作『じんかん』から生まれた、新たな戦国英雄譚!
絶えぬ戦火に全てが荒廃した戦国初期の日本。「誰にも奪われることのない”くに”をつくる」──。そんな大志を抱いた多聞丸が、夢の途上で散った。孤児の九兵衛は、生き延びた弟の甚助と日夏とともに寺に身を寄せ、多聞丸から継いだ遺志を果たす好機を伺うが、孤児が大名になる道はあまりに遠い…。そんな折、九兵衛は阿波の「三好」なる武将の存在を耳にし、夢への足がかりにするが…!?
両親を失い、人買いに奴隷として売られそうになっていたところを、野党団の頭領・多門丸に助けられる。彼の大志に奮い立ち、同じ夢を抱く。知に優れている
九兵衛の弟。兄と共に多聞丸たちに助けられた。素直な性格。剣の稽古を好んでいる
野党団を率いる「松永」の性を名乗る少年。「誰にも奪われることのない“くに”を作る」という大志を抱いていたが、野党狩りの罠にかかってしまい、夢の続きを九兵衛に夢を託す
野党団の中では世話係、悪人狩りの際は囮役をこなす。書の才があり、九兵衛に恋心をもっている
天台宗の僧で本山寺の住職。表向きは孤児たちを引き取り、寺で保護しているが、実態は阿波の国の協力者で、九兵衛に阿波への旅立ちを促す
京の医聖と呼ばれる田代という医者の弟子。留守を任されるほどの腕前を持っており、特に毒物に対しての関心が強い。宗慶の治療をきっかけに九兵衛たちに同行することに
製品名 | カンギバンカ(2) |
---|---|
著者 | |
発売日 | 2021年04月16日 |
初出 | 『週刊少年マガジン』2021年第2・3合併号~第12号 |