著
日生 マユ
奈良の公園の池で偶然発見されたニッポンバラタナゴ(ペタキン)。とうに絶滅したと思われていた、その魚の発見は奇跡と称された。ペタキンの生育には、卵を産みつけるドブガイという二枚貝、ドブガイの幼生が成長するためのヨシノボリというハゼの仲間の存在が必要で、その生態系をまるごと維持していた奇跡的な池は「タイムカプセル」と呼ばれた。かつて、ペタキンの奇跡に魅了され、一心に研究を続けていた父親の面影を追って、少女・カナは家を出る。自然と環境、父の足跡をめぐって、とまっていたカナの時間が再び動き出すーー。小学校の学校医を描いた大ヒット作『放課後カルテ』の日生マユ、最新刊!
金髪女子中学生。父の死をきっかけに自分のルーツの旅へ。父が関心を抱いていたペタキンのおかげでレイたちと出会い、生物や自然への興味が湧く
生き物を愛する日ノ郷大学水圏生態学研究室所属の3回生。進路に悩んでいたが、ペタキンの存在に似た大和野菜に出会い、方向性が見えてきた
すでに絶滅したと思われていた、様々な生物との関係性の中で生きる淡水魚。光にあたるときらきらとなないろに輝く。通称・ペタキン
カナの母。自分勝手で都合が悪いことがあるとすぐに嘘をつくカナに呆れている。その性格を家族を捨てた夫と重ね合わせてイラ立つ
カナの亡くなった父。カナが幼いころ、ミヤコとカナを置いて出て行ったが、本音は戻れる場所がほしかった
澄江の家の近所に住む中学生。カナと同級生。自分が目立つために、カナと仲良くしている
日ノ郷大学水圏生態学研究室所属の4回生。自分の研究をレイに引き継いでもらおうと思っているが、彼と考えが合わない
日ノ郷大学で淡水魚を専門とし、DNA分析により種の起源解明などを研究している。浅葉や神部の先生。カナの父のことを知っている
農学部4年。神部とは違い、優しく穏やかだが、時々毒舌で、レイに対してきついところもある
カナの父方の祖母。突然訪ねてきた彼女を最初は拒絶するが、受け入れることに
カナの父の姉。ならまちでゲストハウスを営んでいて、家出していたカナがしばらく滞在していた
澄江の家の近所で偶然カナが出会った少年。山守を継ぐつもりで修行している。カナとは同い年で、彼女に振り回される
製品名 | なないろ探訪記(1) |
---|---|
著者 | |
発売日 | 2022年01月13日 |
初出 | 『BE・LOVE』2021年6月号~10月号 |