著
磯谷 友紀
昭和26年、京都。二百年続く料亭・桑乃木の長女いち日(34歳)は、夫を戦争で亡くし、調理師としてホテルに勤めていた。
「桑乃木」は経営破たん寸前で、資金を提供してもらうため、大阪の有力者の家の三男・周(19歳)を婿として迎えることに。15歳も年下の婿を迎えることになったいち日と、桑乃木を立て直そうとする大学生の周。
二人は仕事のパートナーとして、少しずつ信頼しあっていき、そして夫婦として、男女としても、ゆっくりと近づいていく――。
ー7巻のあらすじ―
大阪から周を頼って「家出」してきた鈴音。兄・縁の妻である彼女は、周のかつての想い人。それを知りながら、鈴音を「桑の木」に迎え入れたいち日。それぞれの想いが交錯する中、鈴音を追ってあの男が「桑の木」を訪れて――!?
そんな波乱の最中でも、確実に縮まっていくいち日と周の距離。
2人から目が離せない、心臓高鳴る第7巻!
料亭「桑乃木」の長女。戦争で夫を亡くし、ホテルで料理人をしていたが、桑乃木の料理長に。卵料理が大好きな35歳。いつかは周と離縁するつもりでいたが、気になる存在に
大阪のホテル経営者・山口家の三男で21歳になったばかり。最初は「桑乃木」の古さを批判したが、いち日と結婚し、経営を立て直すべく奮闘。彼女と同じ時間を過ごすにつれ、好きになる
いち日の父方の叔母。「桑乃木」を守るためなら手段を選ばない。山口家との縁談を強引に進めた割には周と対立している。跡継ぎとしてみちやを連れてくる
桑乃木の後継ぎとして町子が東京から連れてきた小学1年生。いち日たちの養子となった。戦災で実の両親を失っている
いち日の妹。山口家との結婚が嫌で、料理人の慎太郎と駆け落ちしたが、再び夫婦そろって桑乃木に戻ってきた
山口家の長男で周の兄。家の跡継ぎとして大阪で働いている。「桑乃木」をつぶしてホテル建設をもくろむ
縁に嫁いだ、周の元想い人。山口の家から後継ぎを産めと催促され、縁は話し合いにも応じてくれず、孤独を感じて嫁ぎ先に馴染めないでいる
縁と鈴音の娘。山口の家から飛び出した鈴音とともに、一時、桑乃木に滞在していた
大阪でホテル業を経営する山口家の当主。桑乃木に資金援助しているが、ゆくゆくは乗っ取ろうと画策している
いち日の働いていたホテルのレストランの料理長。洋食は素人のいち日を育ててくれた恩人
桑乃木の元料理人。いち日の父が店にいた時代から働いていたが、ふた葉と駆け落ちした
いち日の母。町子に比べると気弱なところがある
「桑乃木」の元料理長。いち日の父の代から料理長を務めていたが、周の方針に反発して去っていった
製品名 | ながたんと青と-いちかの料理帖-(7) |
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著者 | |
発売日 | 2021年10月13日 |
初出 | 『Kiss』2021年4月号~6月号、8月号、9月号 |