望郷太郎(7)

望郷太郎(7)
著者
  • 山田 芳裕

掲載誌

内容紹介

「日本人」のルーツと人の「暮らし」の原点をたどり、「文明」の「落としどころ」を探し求め、「世界」の「神話」を明らかにする。凍てつく中央アジアで死に場所を求める旅は、文明の根本をなす「経済」の源泉へ迫る旅となっていく――。『へうげもの』『仕掛暮らし』に続く山田芳裕の最新遠大野望作。週刊「モーニング」で年2回の「ブロック連載」中。「コミックDAYS」でも好評配信中!!


大寒波襲来、壊滅的打撃、世界初期化。人工冬眠から五百年ぶりに目覚めた舞鶴太郎(まいづるたろう)は、愛する家族も財産も全て失った。絶望の淵から這い上がり、理想の暮らしと生きがいを求めて、祖国「日本」を目指す。ヒトと文明の歴史をさかのぼるグレートジャーニー。人類よ、これが未来だ!!

猛獣エンリルとの壮絶な戦いでミトを失い、パルの帰郷に従うこととなった太郎。凍える大地で叔父一家は生きていた。招かれざる客でありながら、村の存亡をかけた「大祭り」に巻き込まれる。未知なる原始の習俗が太郎の運命をもてあそぶ!!

西の村や中の村よりも発展している東の村の奴隷となった太郎。農耕が行われ、人口も多いこの村で虚しく使役される男たち。復讐を誓う若き女奴隷頭、プリ。人でありたい。人になりたい。彼らを救いたい太郎は、やがて力の源泉に気づく!!

太郎とパルはバイカル湖南端へ到達。聖と俗が共存し、楽園かと思われたヤープト村も、東の村同様、事実上の宗主国マリョウの苛政に苦しんでいた。人々の暮らしを救うため、太郎は「税」と「土地」で闘いを仕掛ける!!

ヤープト村自立のため、土地を買収し、独自の貨幣「マー」発行を企む太郎。その試みを潰すべく、マリョウの兵団長は太郎に全面協力する村長を脅し、屈服させた。そして拉致される太郎。同時多発的に苛烈な暴力がふるわれる!!

祭司の息子にして兄殺し。まつろわぬ集団「祭組」の長。そしてこの五百年後の世界で、西の果てを見てきた男――。旅の仲間にハッタが加わった。目指すは地域の覇権国家、マリョウ。大国を動かす原理の中枢に、三人はそれぞれのやり方で迫る!!

チラリと見えた日本の姿。だがその前に、大国マリョウの権力者に挑まねばならない。立ちはだかるのは、次第に姿を現す「資本」、そして不可分な「暴力」。かつてカネを道具として使い倒した男・太郎は、500年後に「マー」を予想外の形で革新し、国家転覆計画を起動させる!

登場人物紹介

  • 舞鶴 太郎

    イラクで人工冬眠から500年ぶりに目覚めるが、家族も財産も失っていた。絶望のなか、父と娘の消息を知ろうと日本を目指すことにする

  • パル

    拾い子の息子とともに狩猟生活をしていた青年。遭難中の太郎を拾い面倒を見るようになる。息子を亡くしたことをきっかけに、彼と旅に出る。トゥルンとの力比べがきっかけでつがいに

  • ハッタ

    パルが捕らえられたヤープトの村にいた囚人。強国マリョウに搾取される村を変えたいと一度は立ち上がるも断念。太郎と出会い、再起を考える

  • トゥルン

    ヤープト村の村長の娘。並外れた強さを持つ村の英雄で、祭りの「力比べ」でパルと対峙したことがきっかけで彼とつがいに。その後、村長になる

  • プリ

    行方不明になっていたパルの妹。マリョウの国王の母・ギョンとしてパルと再会することになる

  • ギレーマ

    奴隷で商売している男の恋人で上級市民。王宮にもつながりがあり、パルが捕らわれていることを知っている。マリョウで行われる国の代表選挙で太郎が障害になると睨み彼の命を狙う

製品名望郷太郎(7)
著者
  • 山田 芳裕

発売日2022年07月22日

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