著
大槻 閑人
昭和40年、高度経済成長期の日本。
かつて知能に障害を持つ子供は、「精神薄弱」と呼ばれていた――。
日本における脳血管疾患の患者数はおよそ112万人。そして患者の多くが何らかの後遺症と闘っている。
関東医大から准教授のポストを用意された星前は、自身の理想の医療をめぐり、葛藤する。そしてそれは、西島会長が丘陵セントラル病院に仕掛ける策謀の、最初の一手に過ぎなかった。
一方で会長の暴走を止めるべく動きだした大迫教授。脳外科医としての地位にこだわる彼が目にしてきたのは、昭和の時代の障害者対策が抱えていた問題、その痛みだった。
「Talk and Die症候群」「ptsd」「重症児」のエピソードを収録。
アメリカの病院から郊外にある丘陵セントラル病院に来た脳外科医。臨床と研究を両立させたい仕事中毒者。事故前のミヤビと婚約していた
丘陵セントラル病院の医師で救急部と脳外科を兼務。記憶障害を抱え、昨日のことも覚えていられない。日記に日々の出来事を記入し、生活を維持
丘陵セントラル病院の救命救急部長。脳外科を兼務。自らをエースと呼ぶ自信家。専門領域しか見られない医師を嫌い、総合的な医療知見が豊富
看護師長。仕事には厳しいが根はいい人。ミヤビの指導を任されている。医療安全委員会に属している
胸部外科医。自分の都合が第一で周囲からは面倒くさい人間だと思われている。愛妻家
丘陵セントラル病院の麻酔科医。マイペースでおっとりしたタイプで緊迫した場も彼女の一言で和む。学生時代は女帝と呼ばれていた
ミヤビの主治医で関東医大脳外科教授。三瓶のことを目に敵にしている
丘陵セントラル病院の病院長。病院に来た早々、破天荒な行動をとった三瓶に悩まされる
関東医大同窓会長の孫娘で、綾野の妻となった。綾野病院の財務を一手に担う
丘陵セントラル病院の脳外科医。血管内治療を得意としている。星前の大学の同級生。かつてミヤビといい仲だったが、病院の合併を経て麻衣と結婚
非常勤で新人の言語聴覚士。失語症患者のためのNPO設立が目標
製品名 | アンメット ーある脳外科医の日記ー(12) |
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発売日 | 2023年08月23日 |