著
大和 和紀
登場人物紹介
光源氏
桐壺帝の第二皇子。皆に「光る君」と謳われるほどの美男子。文武にも優れ、詩才も備えている。幼き日より慕ってきた藤壺への叶わぬ想いを抱えながら、数々の女性との恋を重ねていく
桐壺の更衣
光源氏の母。華奢で儚げな美しい女性。姸を競うような宮廷には向かない大変控え目な性格。しかし、桐壺帝の寵愛を一身に受けたために、弘徽殿女御をはじめ女達の嫉妬を買い苦しむ
藤壺
桐壺の更衣亡き後、彼女と瓜二つであったことから桐壺帝が迎え入れた先帝の内親王。五歳しか違わない光源氏を母とも姉ともいえる愛情で包む。彼の元服によって変わらなければいけない関係に心を痛める
頭の中将
左大臣を父に持つ美しい公達で光源氏とともに宮廷を沸かせる。光源氏にとって、世の中をもっと楽しむよう教えてくれた友人。何かと二人で張り合うことも多く、ライバルともいえる人物
葵の上
光源氏の正妻。頭の中将の妹。将来の大后として教育されながら光源氏に嫁ぐことになり、さらには彼よりも年上であることから、素直になれないでいる気位の高い女性
六条の御息所
当代随一の貴婦人。先の春宮の后で娘がいる。自分はもう世捨て人であるとして光源氏を受け入れるつもりはなかったが、次第にどうしようもないほど彼を愛してしまう
夕顔
頭の中将のかつての恋人。間に娘を授かった後、行方をくらませていた。そうとは知らない光源氏とお互い名乗り合わないまま恋に落ちる。無欲な女性。光源氏に安らぎを与える
紫の上
光源氏が祈祷のために訪れた山寺で出会った愛らしい少女。藤壺の姪にあたる姫で彼女を彷彿とさせる容姿をしており、のちに光源氏に引き取られ大切に育てられることに。美しく優しい女性へと成長する
朧月夜
光源氏の政敵である右大臣の娘でありながら、光源氏に密かに心惹かれており、彼を受け入れてしまう。光源氏の異母兄である朱雀帝の妻となり寵愛を受けた後も関係を続ける
明石の上
光源氏が謀叛の疑いを晴らすため一時隠遁した須磨の浦で出会った明石の入道の娘。六条の御息所にも似た美しさと気品を備えているが、自身は身分の低さや田舎育ちであることに引け目を感じている
空蝉
頼りを失い、愛していない受領・伊予介に嫁ぐしかなかった姫。心ときめくことなどもうないと諦めていたが、方違えで訪れた光源氏と出会い、一生に一度の恋をする
玉鬘
夕顔の娘。移り住んでいた肥前での縁談から逃げるようにして都へ。ずっと自分を探してくれていた光源氏に引き取られ、父として慕うようになるが、異性として想いを寄せる側面も
女三の宮
朱雀帝の内親王。彼女の身を案じた朱雀帝の強い願いによって光源氏の妻となる。藤壺の姪にあたり、美しい容姿ではあるが似ておらず、自我も芽生えていないような幼さで光源氏を困惑させる
槿の君
光源氏のいとこ。露をおびた朝顔の花のような女性。男と女の愛の争いに生きることに疑問を持ち、結婚ではない生き方を望む。光源氏を慕いながらも文を交わす以上のことはない
花散里
自分の容姿に自信がない控え目な姫だが、温かく優しく正直な心の持ち主。彼女にとって夢の様な遠い存在であった光源氏にその心を愛されて恋人となる
末摘花
先帝の内親王の忘れ形見であるが、よるべのない心細い生活をしている。内気で誰にも会わずにいたため、美人だという噂が独り歩きをして光源氏と頭の中将に口説かれることに
冷泉帝
桐壺帝と藤壺の息子とされているが、実は藤壺との密通によって授かった光源氏の子。自身もそれに気づいており、表立って父と呼べない光源氏に対してできる限り尽くそうとする
夕霧
光源氏と葵の上の息子。容姿は父親と似ているが、性格は全く似ておらず、真面目で女性に対して不器用。幼き日、初恋の相手である頭の中将の娘・雲居の雁と結婚の約束を交わす
明石の姫君
光源氏と明石の上の娘。明石の上の身分が低いため、光源氏の提案によって紫の上の養女となる。たくさんの愛情を受けて大切に育てられる。後の明石の中宮
梅壺の女御
六条の御息所の娘。彼女にとって光源氏は母を悲しませた人であったが、母亡き後、光源氏の心遣いに打たれ養女となり、冷泉帝のお守り役として入内する。後の秋好中宮
雲居の雁
頭の中将の娘。両親の離婚により母は去り、父親にも放っておかれ、祖母の元で育てられていた幼少期、いとこにあたる夕霧と出会う。夕霧と結ばれるのを一途に待ち続けている
柏木
頭の中将の息子。夕霧の親友。女三の宮との結婚を願ったが朱雀帝に許されず、彼女が光源氏の妻となった後も諦めきれずにいたところ、ついに姿を見てしまい、歯止めが利かなくなってしまう
薫の中将
光源氏と女三の宮の息子として育ってきたが、幼い頃に女房たちが自分の本当の父親が光源氏ではないと話しているのを聞いて以来、若い身空で出家を望むように。大君と出会いが変わるきっかけになる
匂の宮
明石の中宮と今上帝の息子。薫の中将と仲が良い。女人との噂に事欠かない人物だが、実は祖父にあたる光源氏のようになりたいと思っており、自身も紫の上のような唯一の女性を見つけようとしている
大君
政の争いに巻き込まれ宇治に移り住んだ光源氏の異母兄・八の宮の娘。華奢ではっとするような気高さがあり思慮深い。妹思いで、妹だけでも幸せな結婚をしてほしいと願っている
中の君
大君の妹。姉とは違った華やかで明るい美しさを持っている。結婚などせず、一生姉妹で慰め合って生きていきたいと願っていたが、匂の宮に見初められ翻弄されていく
浮舟
八の宮の庶子で大君と中の君の異母妹。大君に生き写しの姿をしている。彼女の中に大君重ねた薫の中将に大切にされる一方で、匂の宮とも通じることとなり、二人の間でどちらも選べず苦悩する
| 製品名 | あさきゆめみし（１） |
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| 著者 | |
| 発売日 | 1993年09月09日 |