Pumpkin Scissors(23)
停戦から3年。永きにわたる共和国との戦争は、帝国に深い傷跡を残した。飢餓・疫病・兵隊の野盗化…。それは“戦災”という名の、もう一つの戦争だった。これを憂慮した帝国陸軍は情報部内に第3課を設立し、戦災復興任務に当たらせた。その実、軍部の予算獲得のための方便であり、臣民の不満を抑制する“言い訳”でしかない彼ら。だが、社会を覆う欺瞞のブ厚い皮を切り裂き、内部の腐敗を暴くことを真に実践する彼らは、自らを『パンプキン・シザーズ』と呼び、任務達成に向けて今日も邁進する! 帝国を待つ“国家の死”──それは確定された未来であり、『第1の大剣』による本会議場への突入作戦などは、遅きに失した無益な殺し合いであるかに見えた。だが、情報部には諦めの悪い者が多い。彼らが並外れた意志をもって帝国の延命を狙うとき、殺し合いはそれ自体が意味を持つに至った。人質を“命の選別”にかける銃撃、敵うべくもない陸上戦艦への攻撃、陥穽に友邦の大使をはめる舌戦…。死に瀕した国家を救う苦闘が始まる!